VJMとして2003〜2007の間、主にclubで活動


playstyleは、DJとの「ジャムセッション」
VJギアは音の出ない楽器・・・な感覚でプレー
都内及び都内近辺のclubで数多くのパーティーに参加


【参加event】
・MASSIVE
・GATE
・Luft Schloss
・MIDNIGHT MESS
・EUPHORIC
・Pandemonium
・PSY-LINE
・GRAVITY
・PSY-KICK
・OVER FLOW
・FAGG
・SOLALIS
・MEGA DANCE
・トランス祭
・TRANCE PARK
・KABUKI
・RAVER FLAVER
・XENON NIGHT
・TOKYO HITS
・CODE 6周年PARTY
・RAINBOW
・RAINBOW RAVE
・SOUND PARK
etc...


【使用機材】
V-4・PC(motiondive.tokyo)・kaosspad・Liveカメラ・DVD...


【印象に残るプレー】
トランス・ハウスを基本に
色々なジャンルのVJをさせてもらいましたが
その中でもっとも印象に残ったプレーは
DJさんとの絡みではなく
ノイズ というジャンルのLIVEでした。
あるパーティ内のイベントだったので
アーティストさんの名前等完全に忘れちゃいましたが
(異国の御方だったことは覚えてる^^;)
これはアガッた。
音は本当にノイズで「メロディ」などありませんでしたが
私のVJ的にがっつりハマり
脳内麻薬出まくりにギグれました。

私は自分が乗らないと良いプレーができないpeaky typeで
乗るまでに時間のかかるslow starterなのですが
乗った時に感じる頭の回転は異常で
先手先手を打つプレーが自分でも驚くほど可能となります。

その時に必ず湧き上がる気持ちは

「もう2〜3本 手が欲しい」

まぁ、自分の思ったプレーが出来ないということは
まだまだ未熟なVJということですかな^^;




【VJとは】
一般的に「視覚演出者」のことで
clubやライブハウスでプロジェクタ等を使い
その場の音・雰囲気に合わせて
リアルタイムで「映像」を操る。

と言ってもピンとこないですよね。
あるイベントでダンスフロア(客と同じライン上)に
機材をセッティングしてVJをした時に
女の子にしばらくポカーーーーンと見られたあげく
「・・・さっきから何やってんの?」
と言われたこともあるというぐらい
VJプレーは傍から見たら意味不明な動きなので
言葉で説明してもなかなか分からないかと思います^^;
その時は実際に機材を操ってみせて
「こうするとスクリーンに映ってる映像がこうなるよー」
というとこまで説明して初めて納得してくれてました。



自虐的ですが
clubにおいてVJは必ずしも必要ではない存在です。
基本的にハコの内装的・ライト的・ムード的存在で
クラウドに対して「違う世界」にいるということを
視覚的に認識させる手段の一つなのです。




【VJMの理想style】
VJには「映像素材」と「play」の
2つの要素が必要不可欠となります。
「映像作家・クリエーターだからいきなりVJができて当然」
かというと、
そうではありません。
例えば技術的に凄い映像やレベルの高い「作品」を流しても
その場の音・雰囲気に合っていなければ
そしてリアルタイムでプレーできなければ
そのパーティーをブチ壊してしまうこととなるからです。
ハコは、映像作品展示の場では「ない」と考えています。
極論で言うと
映像素材に意味などなくていいのです。
もちろん状況によって異なるので100%ではありませんが
基本、映像に意味はなくてよいのです。
というかあってはいけないと自分は思います。
(「本能的にアゲ状態」に「考える」行為は要らない)

VJは視覚効果です。
音で盛り上がった状態を視覚効果で更に盛り上げます。
ボリュームの無い音とでも言うべきでしょうか。。
サイケなどが良い例となりますね。


その「映像素材」を使って、いかに「play」するか。
いくら音や場に合う良い素材があっても
プレーがダメでは全てダメと同じになってしまいます。
もう1つ極論ですが、個人的にVJとは
「音の出ない楽器を操る」
と考えているので、
視覚演出者と上記しましたが
「視覚演奏者」
と自分は思っています。
VJ行為が「ライブ」でありDJとの「ギグ」と考えています。



VJの映像素材とは
基本的にトリップ映像と言われるモノです。
視覚効果を狙った映像で
例えば、抽象的ですが
ウネウネしてたり高速の光だったり
空間・タイポグラフィと様々であり自由で
アニメーションから実写まで様々です。
(個人的に最近は実写が好きです)

VJページにあるVJ sample(youtube)は
個々の素材をミックスした映像ですので
よかったら見てみてください。
(音が入ってないのでVJ movieとしてはパワー半減...)




これより
VJ素材作成の専門的な話になりますが
clubでのVJ素材において
「音に合わせる」が大事となってきます。
その方法の1つとして「BPMをリンクさせた素材」があって
所謂テクノ・トランス・ハウスなVJさんは
BPM150で作っている御方が多いかと思われます。
(自分も基本150に合わせた作り方をしてきました)

ちなみにBPMとは1分間に打つ曲のテンポ(拍)のことです。
例えばBPM60なら1秒に1拍となります(かなりスロー)
BPM120は1秒間に2拍となります。
そういうことからBPM150とは
ちょっと速いテンポ(1秒間に2.5回拍)だと分かります。

さて、そこに映像が絡んでくるわけですが
movieとは大量の静止画を高速で繋げることにより
アニメーションするシステムで
パラパラ漫画と同じです。
では1秒間に何枚の静止画が出ているのか。
一般的にアナログ映像規格は1秒間に29.97フレーム・・・
つまり
1秒間に約30枚の静止画が出ている計算となります。
ちなみに人間の目は1秒間に30コマ以上は読み取れない
と言われています。

1秒間に30コマでムービー作成する場合
150BPMに合わせるには
1拍が0.4秒となる計算なので
12コマ使う計算となります。
4
拍子基本で、1小節48コマ(12×4)使う計算となります。
12コマ目・24コマ目・36コマ目・48コマ目・・・・・・・・・・・
で区切るような映像を作成すると
150BPMに合うのです。

ということでややこしいですが
慣れてしまうと
もう本能的にその計算でmovieを作成してしまいます^^;

それに合わせた素材が↓です。




もちろんハコで実際にかかる曲のスピードは150ではないので
VJソフトを使ってリアルタイムでスピードを変えています。
なぜ150なのかというと
上記ジャンルな曲(テクノ・トランス・ハウス)であれば
150で臨機応変に対応できる平均的な数字だからです。
BPM150の他、同じ素材の120ver.などを
複数持っている御方もいらっしゃいますが
DATAが膨大となるため、ちょっと自分には不可能でした^^;

そん感じで音のスピードに合わせた映像は
より音と一体感が増した視覚効果となり
気持ち良くなるというわけです。

ちなみにBPM同期が最高にアガるジャンルは
4打重低音ガンガンな高速音 hardcore ・ gabba ですね。
Psychedelic trance も良いです。
この音でVJキマると脳内麻薬大放出となります。


BPM素材の話を長々と語ってしまいましたが
素材作成において必ずしもBPMリンクさせなければならない
というわけではありません。
BPMリンク素材ばかりでは型にハマりすぎてつまらないし
本来の意味でのVJとは言えないとも感じます。

BPMを合わせる行為はあくまでも1つの方法であり
その曲の特徴を捕らえ
周りを見れてプレーできてこそ、VJかと思います。


さてVJプレーに必要な素材はいくつぐらいあればいいのか。

ちなみに自分は総数にすると500個ぐらい作成しました。
500と聞くと多いと思うかもしれませんが
VJの立場からは全然多いとは言えない数となります^^;


ぶっちゃけ、理論上1つでも可能です。
1つだったらプレーじゃなくてただの垂れ流しじゃない?
と突っ込まれそうですが
もちろん単に流すだけではありません。
ギアが必要となりますが1つの素材に
リアルタイムで色々なエフェクトをかけたり
スピードをかえたりするわけです。
ミキサーやエフェクターがあればそれは可能となります。
実際のところ1つでは無謀です^^;)

ということで
1つ1つの素材はミキサーで操ることとなります。
その操り方も様々で、その場に応じて
素材をいくつもミックスさせたり
リズムに合わせ素材を切替え(スイッチング)たりします。


機材の話になりますが
上記した音にリンクするような素材はノートPCを使います。
VJ専用のソフトがあるのです。
はmotiondive.tokyoというベタなソフトを使ってました。
インターフェイスはこんな感じです。





このソフトは初心者向けな感じで
「直感的」に特化はしていないので
楽器的感覚という意味では力不足かと思います

実際、私はプレー中に何度も頭で描いた操作ができず
イライラした思い出があります^^;
このソフトのメリットはこれ1本で
マルチなプレーが出来るというところでしょうか。
少ない機材・
色々な音の環境で
VJをする私はこれを使用しましたが
当時、
もしPCを2台使ってたら
このソフトは使わなかったと思います^^;

話それますが、この直感的ではないソフトでも
iPadを使えば一気に直感的ソフトになると思います。
ipadのようなタブレット端末って
VJにとってものすごいギアに化けると感じてて
それを考えるだけで興奮しますね^^
(たぶんすでにいくつかアプリがあるかな? 2013現在)


さて、そんなPC(VJソフト)の他
LiveカメラやDVDなどを
最終的にミキサーへ入れます。
そしてその
ミキサー操作こそがプレーのカギとなるのです。



と、専門的な話ばかりになりましたが
とにかくVJには必要不可欠な知識がたくさんあって
それでいてVJってそれほど数がいないので
情報がなかなかゲットできません。
ここが
VJに興味ある御方の参考になればと思います^^


そんな人のために贈る言葉

VJに必要なことは

・clubを楽しめる身体
・club cultureの理解
・音の理解
・常識を持つ(色彩や出力する映像のモラルなど)
・ナルシストにならない(クリエーターとしての)

という感じでしょうか。